2008年2月22日金曜日

雪001

【2007年2月9日】



元々小夜子は"雨女”

何か行事があるときには決まって空が泣く

今日は納車の日

もう何年も乗っていなかった右ハンドル車でしかも運転席が高い位置にあるクルマ

自信がないと弱気になっていたら

「納車した後、教習付きにしてあげるね」と

いつもお世話になっているクルマ屋さんに言われていたので

とっても心強かった


それなのに…

納車でクルマの説明を受けている間に

どんどん空から白いものが舞い降りてきた

「この雪は積もるよ…」

「ウッソォ~(笑)」

ジョークだと思っていたら

瞬く間に積もり始めた

「これじゃ、今出かけたら帰ってこられないよ…」

小夜子のOPELは車載車に載せられて既にもう一人のクルマ屋さんが

持って帰ってしまっていて

小夜子は教習の仕上げにその方を駅まで送っていく予定だった

「今日は、クルマは出せないから、近くの駅まで歩いて帰るね」

とっても不安な小夜子を残して

「明日はタクシーで出かけた方が良いね」と急いで帰っていかれた

明日と明後日はどうしてもクルマが必要だと急いで納車をしてもらったのだけれど

「これじゃ危ないから諦めなきゃね…」

クルマの中で時間を過ごしていてもますます勢いをまして降り積もる雪に

小夜子は仕方なくクルマを降りた


ご近所の女の子が珍しく積もった雪に

とても楽しそうに遊んでいる

「こんにちは。こんなに雪が積もってきたら、雪だるまさんができるね♪」

そう言って小夜子は暖かいお家へ入った


数時間後、お家を出ると

女の子が作った雪だるまが

黄色い傘を着せてもらってチョコンと立っていた

小夜子にも雪に心躍らせた幼い日があったなぁ…

雪は風景を白く染めるだけではなく

小夜子の心をも白く染めた


今日からは"雨女"ではなく

穢れなく暖かな"雪女"でもいいなぁって思った




小夜子@o(・"・。)β。.:*・゚☆.。.:*・

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